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仁義なき闘い

2007.05.26 - 03:05 [仕事とネタの歪曲空間]

仕事柄、化粧品美容部員さんたちとのミーティングは――酷く気が進まない作業であるにもかかわらず――必要不可欠なので、週に一度の苦行に身を置いていたわけですよ。
これはあくまで一般論だけれど、まー凡そ、流通業界、取り分け小売の生業において、現場で鉢合わせる美容部員さんたちは、とてつもなく中が悪い。・・・ことが多い。他メーカーの美容部員さん同士の諍いやなんかは日常茶飯事。時には同メーカーの中でも派閥争いが表面化したり、果ては互いの顧客自慢やメイクのテクを自慢するという、魑魅魍魎の跋扈する異界にも似た世界の住人である。

私の職場でNo.1の美容部員さん・ここではA子としておくが、彼女のミーティング内容は毎回丁寧に作製され、分かりやすく、それは素晴らしいものだ。
メイクの腕前はずば抜けていて、化粧の花形である塗りだけでなく、最も困難な基礎化粧品のフィッティングにおいて、他の追随を許さない。
分かりやすく言うと、塗りは技術があればいくらでもごまかしが利く。
そりゃそうだ、要するに塗料で色を乗せたり、粒子で肌を覆ったりするのだ、グラデーションをかけたり配色を見極めたりという能力は、かなりの部分において『熟練』でどうとでもなるものなのだ。
ところが『基礎』は違う。
化粧自体のデキを最も左右する、肌の状態をいかに『良く』するか、メイクが映えるようにするか、これはもう天性のセンスが必要となる。
例えを重ねるなら、基礎は畑を耕し、肥やすのに似ている。
で、その彼女が可能な限り噛み砕いた言葉で『基礎はこうすれば顧客を掴める』的なことをレポート上げるとなると、
『へー、じゃあそれイタダキ。試してみるかなー』
と耳を傾けるか、
『ケッ、誰が貴様の手柄話なんて聞くかよ! ペッ』
となる。
経験上、十中八九は後者を選択するのだが。

そして、事件は起こるべくして起きた。
A子の発表はいつもの通りそつなく正確で、分かりやすかった。
そこにB子が挙手。
A子に勝るとも劣らない腕を持ちながら、根本的に接客するという感覚がかけているB子。成績で行くと、トップクラスであることには違いない。が、A子がいる限りトップにはなれない。
そんな関係だ。
B子『あー、A子さんの説明はよー分かるわ。でもなぁ、それってあなたのやり方でしょ? 誰にでも真似できるってモンじゃないんちゃうの?』
A子『マニュアル化は出来ませんけど、意識の統一化は出来ると思います』
B子『それって、私らが基礎できへんってことやろ?』
A子『あくまで参考になれば、と思いまして』
B子『誰が見ても同じってのはありえへんやん。数値じゃないで、お客さんが喜ぶかどうかやろ?』
A子『メイクを巧くするのがダメですか?』
B子『ハッ。アンタは巧いけど、私らはアンタほどできへんよ、残念やけど。でもさ、他でもお客さんに喜んで貰えるとこあると思うねんな』
A子『例えば? 試供品をばら撒く? 褒め殺す? 帰ってから自分で再現できないと分かっているメイクでごまかす?』
B子『お客さんが家でできへんメイクに意味ないで。だから私らはお客さんが出来るメイクを教えるねん。
勘違いしたらアカンで?

巨乳はおっぱいデカいけど、デブのおっぱいはデカいだけで他もデカいんやから、巨乳ちゃうんやで?

分かるか?』
あー。
今B子がいいこと言った!
と思った人、挙手。
まあ、真理ではある。おまけにA子の外見的特長と、自身の身体的セールスポイントをこれほど同時にダブルミーニングするB子の回転の速さはナイスだ。
お客さんの視点に立った従業姿勢も好感が持てる。
・・・と思うでしょ?

でもアカンのよなー。
美容部員さんのお世話になる常連さんって、その殆どは自分で再現できないメイクを望んで来店するから
自分で出来る技術と範囲内で上手にメイクする人なら、セルフ売り場の化粧品を組み合わせていますな。

ま、私は巨乳にあまり興味ないけどな。
できればそこそこの巨尻の方がいいです。

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